グラフィックボード(Graphics Board)とはパソコンのディスプレイモニターに映像を映すための装置です。
基本的な仕組みはグラフィックボードの内部にGPU(Graphics Processing Unit:グラフィックス プロセッシング ユニット)とグラフィックメモリー(VRAM)が搭載されておりGPUで処理された映像信号がディスプレイモニターに送信され安定した映像を表示します。搭載されているGPUチップ・グラフィックメモリの性能により解像度、描画速度、3D性能に差が出ます。
また「ビデオボード」「ビデオカード」「グラフィックカード」「グラフィックスカード」「グラフィックスボード」と表記されることもあり全て総じてグラフィックボードのことを指します。
CPUやマザーボードにGPUを搭載したものであればグラフィックボードがなくても映像を表示することが可能です。これをオンボードグラフィックといいます。
グラフィックボード=交換可能
オンボードグラフィック=交換不可
と認識してもらえればわかりやすいと思います。
え、じゃぁグラフィックボードがなくてもいいってことですか?
そうとも限らないんだ。
じゃぁグラフィックボードがあることでどんなメリットがあるか教えよう。
グラフィックボードのメリット
グラフィックボードを搭載することで得られるメリットは大きく分けて3つ
- 画面解像度
- 動画再生
- ゲーム(3DやVR)
画面解像度
画面解像度とはパソコンからディスプレイモニターに出力される映像の詳細さを指します。通常グラフィックボードから出力できるディスプレイモニターは1,2枚ですが高性能なグラフィックボードになるとディスプレイモニターを最大で8枚出力できるものもあります。
動画再生
画面解像度と同じく高解像度の動画が再生ができます。すでにフルHD(1920×1080)が一般的ですがフルHDの4倍の解像度がある4K動画(3840×2160)の再生もスムーズに視聴できます。インターネット経由で高解像度動画を視聴する場合は通信環境に左右されます。
ゲーム
グラフィックボードの性能を最大限に体感出来るものがゲームです。特に3Dグラフィックスで表現されたゲームはリアルタイムで3D空間を移動したり多くのキャラクターが動いたりと非常に複雑な処理が必要です。この3Dグラフィックスの「描画をキレイに」「動きを滑らかに」処理をするためにはグラフィックボードの高度な処理がが必要不可欠です。
グラフィックボードの新しい役割
近年ではグラフィックボードの性能が大きく向上したこともあり、今まではCPUのみで処理をしていた作業をグラフィックボードで処理を行い処理能力を向上させることが出来るようなりました。ソフトウェアの計算処理に利用したり動画エンコードの高速化、OSの3D機能の向上などグラフィックボードで得られる恩恵は多岐にわたります。
これらの技術をGPGPU(ジーピージーピーユー)正式名称はGeneral-purpose computing on graphics processing units(ジェネラル パーパス コンピューティング オン グラフィック プロセッシング ユニット)といいます。
グラフィックボードの主なメーカー
グラフィックボードは主に2社から販売されています。
NVIDIA(エヌビディア)
現在もっとも普及しているのはこのNVIDIA社の GeForce( ジーフォース )です。様々な3DゲームやパソコンのアプリケーションはNVIDIA社のグラフィックボードに最適化されて開発されているものがあり流石は世界シェアNo.1。
また3DCG制作者やCADオペレーターのプロ向けにQuadro(クアドロ)製品がラインナップされています。こちらもプロの間では定番のグラフィックボードとなっています。
AMD(エーエムディー)
NVIDIAの製品に比べて性能的には大きな差はなく同性能の製品が安価という特長があるAMD製品。
apple社のmacはもともとNVIDIA社の GeForce( ジーフォース )を採用していましたが現在(2017年)はAMD社のRadeon(ラディオン)を採用しています。
またNVIDIAのQuadro(クアドロ)同様、FirePro(ファイアプロ)というプロ向けの製品もラインナップしています。